悲嘆の感情
悲嘆というのは、大切な人や物を失ったときに沸き起こり、
その感情を味わい尽くすことで、その人を前に向かってしっかりと
歩き出させてくれる大切な感情の一つです。
でも、もしもその時、十分に悲嘆の感情を感じることが
できなかったり、避けてしまったとき、その出来事の記憶は、
未消化の感情を保持したまま心身の中に留まってしまうようです。
先日、あるクラシック音楽を聴いているときに突然、
以前の会社で大変お世話になった上司のことを思い出し、
自然と涙が溢れてきて、しばらく止まらなくなったのです。
会社を退職して1年半経って、ようやく心の準備ができて、
悲嘆の感情を味わうタイミングがやってきたようです。
大切な出会いとして私の中にしっかりと記憶されていますが、
もう涙を流す必要はありません。